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    アジリティトレーニングを考える  ウサイン・ボルトはサッカー界では速くない?


    あのウサイン・ボルト選手がサッカーに挑戦するかもしれない、というニュースが世間を賑やかしました。スピードは人類史上最速。映像を見る限り、ボールコントロールも素人というレベルではありません。それでもサッカー界での成功には懐疑的です。それは技術や経験というだけでなく、最大のウリであるスピードが通用するかどうかも定かではありません。
    もちろん、速度という点において彼より早い人間は存在しません。それでもスピードが通用しないというのはどういうことか。
    それはサッカーというスポーツが陸上とは異なり、高いアジリティが求められる競技だからです。

    アジリティ=方向転換・急停止・急加速

    陸上は主に直線的な運動です。コーナーワークが含まれるものや障害物を避ける種目であっても急激な方向転換は必要としないため「直線的」な運動と言っても差し支えないでしょう。
    一方、サッカーは急激な方向転換、急停止、急加速を繰り返すスポーツです。また、直線的な走りもほとんどが20メートル以内だと言われています。
    このような、「方向転換」「急停止」「急加速」などの能力が『アジリティ』を意味します。

    そして、この『アジリティ』こそがサッカーにおいて『スピード』よりも重要なのです。
    実際、サッカーではスピードの話をする際は『アジリティ』について指していることが多くあります。

    アジリティトレーニングで必要な3要素

    アジリティを向上させるためには以下の3つのポイントから考える必要があると私は考えます。
    ・筋力
    ・コーディネーション能力
    ・身体の使い方

    「筋肉」
    方向転換をするのにも、急加速・急停止するのにも筋肉を使います。体幹がしっかりとしていれば、方向転換の際にもバランスを保つことができるため、次の一歩を素早く踏み出すことができます。また、体幹筋の一部でもある臀部の筋肉は加速に必要です。このように、アジリティ強化のためには主に体幹を鍛えると言われていますが、アジリティで重要となるのは身体全体のバランスです。身体の最適なバランスを維持するためには腕や脚などの四肢も鍛える必要があるとも言われています。特に大腿部の筋肉は加速時・停止に必要となります。


    「コーディネーション能力」
    コーディネーション能力とは、一般的に使われる「運動神経」と捉えていただけるとわかりやすいかと思います。より、具体的に言えば、定位・識別・反応・変換・連結・リズム・バランス能力という7つの能力です。コーディネーション能力が高いとアジリティが高くなると言われています。
    詳しくは以前に執筆させていただいた『サッカーでコーディネーション能力の重要性』(https://www.sharetr-soccer.com/articles/view/68)をご参照ください

    「身体の使い方」
    方向転換時や加速時・停止時に、腰を落としすぎている、逆に腰が高過ぎる、一歩が大きすぎる、小さすぎるなどと、身体の使い方に問題があると本来使うべき筋肉やコーディネーション能力を有効に使うことができません。実際にサッカーの試合で必要となる動作に対して、正しい身体の動かし方をマスターすることでアジリティ強化につながります。


    よくラダートレーニングがアジリティトレーニングのメニューとして紹介されています。「コーディネーション能力向上」のためのメニューとしては有効だと思うのですが、脚を素早く動かす能力(フットワークの向上)=アジリティと混同して説明していることが多いので注意が必要です。

    ラダートレーニングに関しては『ラダートレーニングのメニューを考える際の注意点』(https://www.sharetr-soccer.com/articles/view/120)をご参照ください。

    アジリティトレーニングの導入を考える

    アジリティはサッカーにおいてとても重要な能力です。しかしながら、アジリティの不足を技術や状況判断である程度カバーできてしまうの事実です。
    そして、アジリティトレーニングの一番の問題は「身体の使い方」を除くとボールを使わない、非現実的な練習になってしまうことです。部活動やプロなどの毎日のように練習ができるチームであれば、通常練習を減らしたり、練習前後に導入することもできますが、練習時間が限られてるチームではボールを扱う時間を減らすことにもリスクがあります。
    今季、私の担当するチームは週に一度フィジカルトレーニングの日があるため「筋力強化」はカバーできています。そのため、ウォーミングアップの一環として身体の使い方を意識しつつ、コーディネーション能力が鍛えられるようなメニューを定期的に入れていこうとと考えています。
    理想を言えば、せっかくフィジカルトレーニングの日があるのであれば、その日にまとめてアジリティトレーニングを行いたいのですが、担当コーチが異なるためにできそうにありません。

    ちなみに筋トレは小学生年代であっても有効だという結果もでているそうですので、ジュニア年代のチームであっても筋力強化は検討の価値はあるようです。そういった点も含めてアジリティトレーニングについて考えてみてください。

    執筆者

    大野元春

    1987年生まれ、千葉県八街市出身。イングランドでコーチングライセンスを取得した後、現在はオーストラリアのナショナルプレミアリーグのMonaro Panthers FCでU18の監督を務める。オーストラリアサッカー協会Bライセンス取得中。http://blog.mottofoot.com
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