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    グループ守備の基本を理解する(指導案)


    U-18(高校生)


    今回は3月6日に行った練習の練習プランとその作成の過程と反省を紹介させていただきます。

    練習当時の状況としては新チームでの正式な活動が始まって1カ月が過ぎ、リーグ開幕まであと1カ月となり、チームがプレーモデルを理解し始めてきました。そして、先週末には同じクラブのU16との練習試合を行ない5-0で勝利しました。

    指導案の作成の流れと考え方 

    1.課題の特定

    攻撃面には関しては、相手がU16ということを差し引いても今まで練習してきた「攻撃陣形を崩さずに攻める」ということをしっかり意識できていました。
    ただし、守備の面ではボールを奪われた後に歩いている選手も多く、守備陣系が間延びしてしまっていました。
    そのため、今回は守備でのインテンシティを高めるためにも、まずグループ守備の基礎を確認することにしました。さらにここまではプレーモデルの理解を深めることを優先しており、あまり強度の高い練習を行っておりませんでした。そこで開幕まで1カ月となったこのタイミングで少しずつ練習の強度を高めていくことにしました。

    2.練習テーマの洗い出し
    「グループ守備の基礎の理解」と「練習強度を高めること」を課題にしましたが、まだ練習メニューを決めるには曖昧さがあります。

    「練習強度を高める」という点においては、 レイモンド・フェルハイエン氏の「フットボールピリオダイゼーション」の考え方を基にゲーム形式の練習の時間、人数、ピッチのサイズを調整することでコントロールします。
    ※フットボールピリオダイゼーションは本来長期計画を基に練習の強度を様々な面から段階的に高めていくことを指しますが、選手が練習を休む(ケガや家族の用事等)ことが多いオーストラリアでは機能させることは難しいと感じています。しかし、「スタミナ」の解釈およびプレー時間と休憩時間の参考としてレイモンド氏の理論を活用しています。

    そして「グループ守備の基礎」と言っても様々あるかと思いますが、まず最初にプレスの質と量を上げることをテーマにすることにしました。そうすることで練習強度も自然と上げることもできます。そして、プレスを意識できるようになると次はカバーリングの問題が表面化してくるため、次の練習テーマも明確になります。
    今回は「プレスの質」というのを「プレスを始めるタイミング」、「プレスをかける角度」、「寄せるときのスピード、」それとオーストラリアでの共通の課題である「相手の前で止まること」としました。

    この1日の練習メニューの指導案はこちらから

    練習メニューの策定

    1.ゲーム形式練習
    練習のテーマが決まったら、実践に最も近い形であるゲーム形式練習メニューから考えていきます。通常は実際の試合でのポジションを意識した練習を組むのですが、今回は「守備の基本認識」と「練習強度」がテーマのため、ポジションを意識し過ぎないミニゲーム形式にしました。しかし、先週末の試合でよく見られたロングボールの後(攻撃、守備どちらにおいても)に間延びする傾向があったので、その状況を再現するために裏のスペースでボールを受けたら一点という形式にしました。

    2.練習ゲーム
    練習を締める練習ゲームは基本的にはゲーム形式練習と同じメニューで行なうようにしています。その方がゲーム形式練習で理解したことをそのまま活かせるためです。では何が違うのかと言えば、コーチングをするかしないかです。練習ゲームでは誰がどれだけ理解しているのか、チーム全体にテーマが伝わっているかを観察します。

    3.ポジショニング練習
    ゲーム形式練習および練習ゲームのメニューが決まると次は、必要な要素を反復練習できるメニューを考えます。今回はプレスの掛け方なので、いわゆる鳥かご形式のメニューすることによりプレスをかける機会を多くしました。

    4.パス練習(ウォームアップ)
    ウォームアップを兼ねたパス練習では、ポジショニング練習で必要となる技術的要素をディフェンスの負荷が少ない状態で練習します。守備がテーマの場合で言えば、プレスをかける動作をスタート&ストップとして導入することもできますが、今回はトライアル期間中に繰り返し行っていた練習を久しぶりに行ないパスの基礎を再確認する機会としました。
    ※実際は大人の事情によりウォームアップはアシスタントコーチにまかせているので、指導案に記載のものは自分が指導すると仮定したメニューになります。

    セルフフィードバック

    今回は以前からよく使用している鳥かご形式の8対4の練習にしたのですが、自分が期待していたほど効果的なコーチングができませんでした。その理由の一つとしては、以前にも同じメニューを行っていたため、タスク等を理解していたため上積みが少なかったように思います。そして、最大の原因は自分のコーチングスタイルが変わってきていることです。最近はより実践を意識したものになっているため、今まで効果的だと思っていた8対4が攻撃方向が定まっておらず非現実的に感じてしまいました。特にテーマがプレスの角度であるときに用いる練習ではなかったと反省しました。

    今回の練習で一番学んだことは「以前から使用している練習を疑う」ことです。攻撃・守備における方向性の重要性は認識しており、ウォームアップ以外のメニューを作る際は注意しているのですが、今回は以前から使用し、手応えを感じていたため安易に使用してしまいました。
    今回の反省を次回の練習に活かしたいと思います。

    この1日の練習メニューの指導案はこちらから

    執筆者

    大野元春

    1987年生まれ、千葉県八街市出身。イングランドでコーチングライセンスを取得した後、現在はオーストラリアのナショナルプレミアリーグのMonaro Panthers FCでU18の監督を務める。オーストラリアサッカー協会Bライセンス取得中。http://blog.mottofoot.com
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