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    キーパー練習でGKコーチなしのマネージメント方法


    サッカーとは10人のフィールドプレーヤーと1人のゴールキーパーで試合を行います。
    フィールドプレーヤーには主にDF、MF、FWの3つの異なるポジションがありますが、その役割はチームや戦術によって異なり、その境界線は曖昧なものです。
    しかし、ゴールキーパーは唯一手でボールが扱えるという特権が与えられており、ルールの上でも他の選手と区別する必要があります。

    その結果、セービングなどの技術的は部分はもちろんのこと、フィジカル的要素も他のフィールドプレーヤーとは運動量や走りの質も異なり、求められる練習も大きく異なります。ということは、ゴールキーパーの指導をするには専門的な知識、経験が必要です。
    しかしながら、GKコーチ不足や予算の問題で、GKコーチがいないチームも珍しくありません。

    今日はゴールキーパー未経験のサッカーコーチとしての立場から見た、練習におけるゴールキーパーのマネージメントについて考えてみたいと思います。

    オーストラリアのジュニア年代におけるゴールキーパー練習事情

    昨年所属していたい西オーストラリア州のナショナルプレミアリーグでは、ジュニア年代(U12-U16)において各クラブ最低1人はGKコーチを配置する必要があるため、最低週1日はGK専用のトレーニングメニューを行うことができます。それに加えてサッカー協会によるゴールキーパーの練習会が週末に行われており、ゴールキーパーは週2回GKに特化した指導を受けることができます。
    それでも、通常のチーム練習にはゴールキーパーも参加するため、練習メニューを作成する際にはゴールキーパーのことを考慮しなければいけません。

    また、オーストラリアのジュニア年代ではその日の登録選手は試合に必ず出場しないといけないという規定と、保護者が自分の子供が試合に出ないということを異常に嫌がるためゴールキーパーを1人しか置かないということがほとんどです。
    そのため、ゴールキーパー同士で集まって別メニューをこなすということもできません。

    それでは、GKコーチがいないチームはどのようにGK練習を行えばいいのでしょうか。

    解決策1:通常メニューをこなす

    現代サッカーでは、ゴールキーパーは「11人目のフィールドプレーヤー」と呼ばれるほど足元の技術も要求されるため、他のフィールドプレーヤーと同様のメニューをこなすという方法が一つ考えられます。
    パス、ドリブル練習に関してはゴールキーパーのボールコントロールスキル向上にも役立ちますし、シュート練習であればゴールキーパーとして参加することができます。
    そして、ミニゲームではターゲットプレーヤーとなることにより、実際のゴールキーパーのシチュエーションに近い状態でパスやボールコントロールを行うことができます。

    ただし、この方法ではセービング練習などのゴールキーパーに必要な専門的な技術、筋力、体力などは向上しません。
    また、11人目のフィールドプレーヤーと言えども必要なボールコントロールの技術は、他のフィールドプレーヤーとは異なり、全ての練習がゴールキーパーにも役立つとは限りません。

    実際、私は昨シーズン、ゴールキーパー練習が別で行われていたこと、戦術上ゴールキーパーに高い足元の技術を求めること、どの練習もパスワークの要素が多く含まれていることなどがあり、通常メニューに参加させることを選びました。
    しかしながら、週1回のGKトレーニングではGKスキル向上には不十分ですし、ディフェンスの練習はゴールキーパーには全く関係ありませんので、最善の策ではないでしょう。

    ゴールキーパーに別の練習メニューを与える

    もう一つの方法としては、当たり前ですがゴールキーパーには専用の練習メニューを与える方法です。
    ゴールキーパーが2人以上いて、既にある程度の基礎技術を備えている場合は、ゴールキーパーに特化した練習ができるため、明らかにこちらの方がよいでしょう。
    ゴールキーパーが1人しかいない場合でも、部活動であればマネージャー、クラブの練習であれば保護者の方などにボールを投げたりする程度で、練習を手伝ってもらうことにより別メニューをこなすことも可能です。

    ただしGKコーチなしでこの方法を採用する場合は問題点も多くあります。

    まず、GK専用練習メニューの作成に必要な知識の不足です。
    今回はゴールキーパー経験のないコーチが指導する場合を前提にしていますので、どのような練習メニューを設定するべきかの判断が難しい点です。
    ゴールキーパー指導の勉強をすることがベストではありますが、アマチュアコーチにとっては時間的にも簡単ではありません。

    そして一番の問題は、練習メニューを与えることができても指導をすることができない点です。正しい知識不足もありますが、なによりフィールドプレーヤーの練習も見ないと行けないためゴールキーパー練習を指導する時間がありません。もしゴールキーパー練習に時間を割けばフィールドプレーヤーの練習での指導時間が減ってしまい、練習の質が下がってしまいます。
    私は、練習中は一秒たりとも他のことを考えたりすることができないので、とても2つの練習を同時にコントロールするというのはできず、さらにGK練習をサポートしてくれる人がいなかったので全体練習に参加させていましたが、可能であれば別メニューを与えることが最善であることに異論はないと思います。

    問題点をどうカバーするか

    問題点を別の方法でカバーすることにより、練習の質を高めることも可能です。
    メニュー作成の知識不足は、シェアトレなどを有効活用することで解決できると思います。シェアトレでは様々な条件で実際の動画を検索できますし、動画を選手に見せることで選手だけで練習を行うこともできるでしょう。
    GKの指導ができないという点については、練習の様子をビデオなどで撮影し、後日フィードバックを与えたり、GK指導ができる人に定期的にフィードバックを依頼することも解決策の一つでしょう。

    GKコーチがいないなかでのGK育成というのは大変だとは思いますが、ゴールキーパーはとても重要なポジションですので、与えられた環境の中で少しでも選手が成長できるようコーチに創意工夫が求められます。

    執筆者

    大野元春

    1987年生まれ、千葉県八街市出身。イングランドでコーチングライセンスを取得した後、現在はオーストラリアのナショナルプレミアリーグのMonaro Panthers FCでU18の監督を務める。オーストラリアサッカー協会Bライセンス取得中。http://blog.mottofoot.com
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