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    サッカー練習メニュー作成で気を付けるべきポイント!中学生編


    オーストラリアでは、多くの欧米諸国と同様に中高生は部活動ではなく、クラブに所属をしてサッカーをプレーします。そのため、育成においての枠組みを考える際に中学生、高校生という学校に基準を置いて考える必要がなく、より選手の成長にあわせたカテゴライズが可能です。

    その結果、オーストラリアでは以下のように育成カテゴリーを分けています。

    U6-9    発見期 (Discovery Phase)
    U10-12  技術習得期 (Skill Acquisiton Phase)
    U13-U17 ゲームトレーニング期 (Game Training Phase)
    17+   パフォーマンス期 (Performance Phase)

    しかし、日本では多くの選手が部活動としてサッカーをプレーしており、また中学と高校では生活リズムも異なってくるため、小学校低学年・高学年・中学生・高校生という形で区別することのほうが現実的でしょう。

    そこで、今回は日本の中学生年代にあたるゲームトレーニング期の練習メニューについて説明させていただきます。

    中学生年代=11人制サッカーのプレーの仕方を学ぶ

    この「ゲームトレーニング期」には主に2つの大きなポイントがあります。

    ・個人技術を11人制サッカーの中で活かす方法を学ぶ
    ・戦術や状況判断能力の向上




    技術習得期では、キック技術・トラップ・1対1・ドリブルの4要素を主にボールを直接扱う技術を向上させることがテーマになります。
    そのため、ゲームトレーニング期の選手たちは最低限の個人技術は持っていると想定されます。
    そして、技術習得期では多くのミニゲームが推奨されており、ミニゲームという狭いエリアで多くの自由が与えられた環境でのプレー経験はあるとされています。

    そこで、この「ゲームトレーニング期」では、11対11という広大なスペースの中で行われ、かつポジションという新たな制約が生まれた中で、どうやって個人技術を活かしていくのかが指導のポイントになります。
    また、この年代では個人技術を正しいタイミングで使うための状況判断能力を向上させることも求められます。

    サッカー練習メニューの構成~中学生編

    この年代の練習メニューは、以前のコラム「オーストラリアサッカー式練習メニューの作り方」で説明させていただいた練習形式が適用できます。

    そのため、基本的な練習の流れは
    パス練習→ポジショニング練習→ゲーム形式練習→練習ゲームとなります。

    小学生年代でもパス練習から始まり、鳥かごなどを行い、最終的にミニゲームで締めるというのは多くのチームで行われていることと思います。
    では、小学生年代との一番の違いは何か。


    それは、11人制の試合を意識した練習であること
    です。 

    パス練習から最後の練習ゲームまで全てが、実際の11対11の状況を想定したものである必要があります。

    パス練習であれば、どのポジションからどのポジションへの、どういった状況を想定したパスであるのか。

    ポジショニング練習では、主に鳥かごのようなポゼッションゲームが行われるのですが、誰がどのポジションなのかを意識させる必要があります。
    たとえば、ただ4対2を行うにしても、攻撃側は右センターバック、右サイドバック、守備的ミッドフィルダー、右オフェンシブミッドフィルダーであると想定する、といった具合です。

    このパス練習とポジション練習メニュー作りで気をつけなければいけないのは、「距離」でしょう。
    練習では5メートル前後のパスをたくさん練習しているのに、試合になったら10メートル以上の距離のパスしかないというのは、日本でよく見られる光景です。
    練習メニュー作成の際に、実際のサッカーの試合をイメージしていればそういったミスを防ぐことができるでしょう。


    そして、ゲーム形式練習では現実的なピッチサイズ、ルール、ポジションが求められます。
    日本では練習スペースが限られていることもあり、狭いエリアでのミニゲームで終わってしまうことがありますが、それではこの年代の育成のテーマである「個人技術を11人制サッカーの中で活かす方法を学ぶ」ことができません。
    そして、現実的な状況でのゲームを行いつつ、戦術的指導をしていくことにより、11人制における戦術理解度も向上していきます。

    限られたスペースでもリアリティを

    もちろん、日本では練習スペースが限られているため、完璧にこのような練習メニューを組むことは難しいと思います。特に部活動のサッカーでは人数が非常に多いためより困難です。
    しかし、練習で11人制の動きを理解することは中学生年代においては、とても重要です。

    そのため、

    ・ピッチサイズを少し小さめにしつつもポジションは必ず設定する
    ・週末の試合に出る選手はゲーム形式練習を行い、それ以外の選手は技術練習を行う
    ・曜日によって基礎練習組と通常練習組を入れ替える


    など、少しでも11人制での役割を練習を通じて学ぶ機会をコーチの創意工夫で作り出すことが中学生年代の練習メニュー作成ではポイントになると思います。


    日本の選手は技術は高いと言われています。それは、限られたスペースの中で指導者の方々がアイデアを出し続けてきた結果だと思っています。
    しかし、同時に日本の選手は戦術理解度が低いと言われてしまっている現代、さらにもう一つ工夫をして、限られたスペースの中で現実的なシチュエーションを作り出すことができれば、日本のサッカーは次のレベルに進めるのではないでしょうか。

    執筆者

    大野元春

    1987年生まれ、千葉県八街市出身。イングランドでコーチングライセンスを取得した後、現在はオーストラリアのナショナルプレミアリーグのMonaro Panthers FCでU18の監督を務める。オーストラリアサッカー協会Bライセンス取得中。http://blog.mottofoot.com
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