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    サッカーのゴールから考える本質と育成年代の指導の考え方


     サッカーのゴールは、サッカーのゲームの中でもっともエキサイティングな場面です。
    それはヨーロッパのリーグの試合でのゴールでも、少年たちのサッカーのゴールでも変わりはありません。
    サッカーの試合では最後に得点結果が多いチームが勝利となります。
    スポーツの本質である以上、このゴール(=結果)が一番注目されるのは当然ですね。
    ただ、育成年代のサッカーではそのゴールに至るプロセスも無視できません。
    サッカーのゴールを通じて、本質に迫ります。

    サッカーのゴールサイズと育成

    サッカーのゴールを得点という意味のゴールではなく、物質的なゴールで考えてみましょう。
    サッカーのゴールのサイズは2.44m×7.32mと競技規則に定められています。
    対して日本の少年用サッカーのゴールサイズは、2.15m×5mとなっています。
    これが中学生年代になると、いきなり正規のゴールサイズへと移行されるため、問題が起こっています。(ここでは試合の人数やピッチサイズの問題は取り上げません)
    それは中学1年生の身長に対して、ゴールサイズが大き過ぎるということです。
    つまり、シュートがほとんどゴールしてしまうのです。
    もちろん、サッカーの育成年代において、成功体験を積ませるというのは悪いことではありません。
    しかし、ボールがゴールに届き、枠にさえ入ればゴールしてしまうという状況は育成年代にとっても、後述する決定力を磨くにも良いことではありません。
    ちなみに、サッカーの母国イングランドでは年代に合わせて、高さは少年用サイズのままで、横幅だけ広げるというサイズのゴールを採用しています。
    こうすると、適当に広いゴールに蹴っているのと訳が違います。
    GKは小さいかも知れませんが、ゴールサイズも正規サイズよりも小さくなっています。
    ですので、シューターも強いシュートを正確にGKのいないところに蹴らなければいけません。
    また、GKを含めて相手DFと駆け引きをする必要があるのです。
    サッカーのゴール前のもっとも盛り上がる場面を夢中にプレーするだけで、鍛えられる育成の土壌があるのですね。

    サッカーのゴールパフォーマンス

    次にサッカーのゴールをゴール場面という切り口で見てみます。
    どのスポーツでも勝利となる条件があり、球技で言えばほとんどが相手よりも多く得点を取るというものになります。
    ですので必然的にゴールシーンというのは非常に盛り上がり、得点を奪った選手やチームのパフォーマンスは目立ちます。
    特にサッカーのゴールシーンはそれだけで何分間も競技が中断するほどのものです。
    日本では以前、サンフレッチェ広島のゴールパフォーマンスが有名になりました。
    では、なぜ、サッカーのゴールパフォーマンスは派手で、しかも、あれだけ騒ぐことが許されるのでしょうか。

    それはサッカーというスポーツは1点のゴールの重みが他競技と全く異なるからです。

    野球やバレーは時間が限られていません。
    また、バスケットやラグビーは複数点を取ることが可能です。
    もちろんサッカー以外のスポーツの得点も貴重なものに違いありませんが、サッカーの1点は非常に重く、だからこそ、あれだけ1点毎に盛り上がるのですね。

    ゴールにまつわるルールの改正

    サッカーのゴールの貴重さについてお話ししました。
    かつてはワールドカップでオウンゴールをしてしまい、敗退したコロンビアの代表選手が射殺されるという事件が起きました。
    ここまで凄惨な事件でなくても、1点には人の人生や生活がかかっています。
    そこで近年ではホークアイなどゴールラインテクノロジーといって機械でゴールを判定するシステムも導入されました。
    『審判も人間だからミスをするけど、それも含めてサッカーだ』としていたのが、VRよりも前にゴール前には機械が入ってきたのです。
    また、第5の審判員として、ゴール横でゴールの判定をする(PA内の反則の有無も)審判も採用され始めました。
    サッカー選手のフィジカル能力がますます向上し、組織的な守備戦術が構築されると、まずます得点はあげにくくなります。
    その中での貴重なゴールを見逃さないようにするには当然の処置かも知れません。

    サッカーの決定力とは?どうしたらゴールを奪えるのか?

    さて、よく日本代表には決定力がないとか、決定力不足という言葉を耳にします。
    では、サッカーの決定力とは何なんのでしょうか。
    それはGKとの1vs1やノーマークでのシュートなど、決定機にゴールできないことを言います。
    それだけではありません。
    ゴール前の相手の守備をかいくぐり、相手がキチンと対応してもそれを打ち破る力も必要です。
    これは得点力、または攻撃力とも言えますね。
    どうすればこういった力は身につくのでしょうか。
    得点力には相手の守備を崩したり、相手のコートまで運んだりする力も含まれます。
    こういった力を向上させるには結局のところ技術を磨くしかありません。
    しかも、相手のゴールに近づけば近づくほど相手のプレッシャーは厳しくなります。
    トップスピードで動きながらの技術や相手とのボディコンタクトを伴いながらの技術の発揮が必要になります。

    育成年代から鍛えるゴール前の力

    サッカーのゴールを多くあげるには、単純なシュートのテクニックへのアプローチも大切です。
    しかし、メンタル的な耐性や駆け引きなどを加えた得点力の向上はサッカーのゲームでその力を磨くしかありません。
    それも育成年代からトレーニングしないと世界には通用しないでしょう。
    加えて、単純にゲームをしても、肝心のゴール前の場面が少ないとトレーニングの効果は上がりません。
    そこで現在、小学生の大会でも行われているように8人制の試合を行うことです。
    学年が小さければもっと人数を減らしても構いません。
    これは大人でも考え方は同じです。
    人数を少なくして、ピッチサイズも工夫すれば、必然的にゴール前のシーンが多く出現します。
    その中で切磋琢磨することによって、自然とゴール前で必要な技術が磨かれていきます。
    もちろん、指導者のタイミングの良い適切な働きかけが大切です。

    まとめ

    1.サッカーのゴールサイズと育成=育成に必要なゴールサイズを採用しよう
    2.サッカーのゴールパフォーマンス=サッカーの1点は重い
    3.ゴールにまつわるルールの改正=ゴールを中心に行われてきたルール改正
    4.どうしたらゴールを奪えるのか?=技術の向上が必要です
    5.育成年代から鍛えるゴール前の力=ゴール前の攻防が多発するゲームの工夫を



    サッカーのゴールとは全てのプレーの結晶です。
    サッカーにある全てのプレー、アクションがこのゴールのためにあります。
    その本質を忘れず、育成年代からトレーニングを重ねることが重要です。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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