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    8人制サッカーを考察し、戦術的アドバンテージを持って勝利を目指そう!


    いよいよ夏休みに突入し、これから強化練習や合宿、遠征などサッカーの夏本番の活動が増えてくる頃ですね。前回、同じ「8人制サッカーの戦術」というテーマでコラムを作成しましたが、その時は小学生年代の育成にスポットあてて考察してみました。今回はさらに戦術にウエイトを置いて考えてみると同時に、8人制で戦術的にアドバンテージをどのように作り出すかを考えてみたいと思います。

    そもそも「戦術」とは?

    サッカーの戦術というと、色々な定義があると思いますし、言葉遊びには気を付けなくてはいけませんが、ここは筆者の考えているサッカーの「戦術」を整理してお伝えしたいと思います。まず、戦略についてお話ししたいと思います。戦略とはチームが持っている戦い方の理想形です。「こんな風に戦いたいな」「こうやって点を取ろう」「こうやって勝つぞ」というものです。ところが、当然ながらサッカーには対戦相手がいます。これは8人制サッカーであろうが、11人制であろうが絶対に変わりません。いくら自分たちがやりたい攻撃、または守備を明確に持っていても、相手が思うようにさせてくれるかどうか分かりません。(そのために事前に分析をするわけですが、ここでは省きます)そこで、相手に合わせて自分たちの戦略を実際の戦う術へと整理したものが戦術です。例えばですが、自分たちの戦略が前線からハイプレッシャーをかけてボールを奪い、ショートカウンターから一気に得点を狙うスタイルだったとしましょう。しかし、対戦相手の全体的なテクニックが高く、正確にビルドアップを行ってくるチームであった場合、前線からプレッシャーをかけるのはかなりリスクの高い戦略になります。そこで、今回の対戦相手と試合をする時は、中盤で待ち構えてプレッシャーをかけよう、または、自陣深くまでディフェンスラインを下げて戦おう。この調節した結果が実際に戦う術である戦術と呼びます。もちろん、分析の結果、こちらのチームが優位であると判断すれば、そのままの得意な戦略を用いて挑むべきです。
    つまり、サッカーの戦術とは、必ず相手がいることを踏まえての話でなくてはならないということです。

    8人制で戦術を遂行するには

    8人制サッカーで、相手がいる中で自分たちの戦略(=やりたいこと)を発揮し、戦術(=相手に合わせて)として機能させるにはどうすれば良いでしょうか?ここでは手っ取り早く言いますが、8人制でアドバンテージを持って試合に入るには、人の配置です。どこにどの選手を配置するか?は極めて重要な戦術の1つだからです。11人制サッカーよりも人数が少ない8人制は、人と人の対戦成績が競技成績に与える影響は大きくなります。分析をした上で、こちらのどの選手を、相手のどの選手にぶつけるか?という問題は勝負に直接的な影響を与えます。『いつもは左サイドのDFとして出場しているスピードのある選手を、今日は相手の左サイドのスピードのある選手がエースだから、左右を反対にして出場させよう』という形です。理想は育成年代で、選手同士が自ら判断し、試合中であってもポジションチェンジやシステム変更を行えるようになることが大切ですね。また、オーソドックスな例でいうと、GK–CB–CH–CFの縦のセンターラインにはチームの中心選手で、なおかつ身体能力の高い選手を並べましょう。サッカーには「中盤を制する者は試合を制する」と言う格言がありましたが、今では中盤を制しても試合に勝てないことも珍しくありませんね。11人制サッカーに比べて、もちろん、ピッチは狭くなっているとは言え、やはり、8人制サッカーはスペースが大きいのも特徴の1つです。そのスペースを有効に活かすには、センターラインに身体的にアドバンテージをもっている選手を配置することが肝要です。

    3つの優位性を考えよう

    次に、人の配置をどうするか?を考える時に、切っても切り離せないのがシステム(フォーメーション)だと思います。8人制サッカーはGKを除くとフィールドプレーヤーは7人しかいませんので、どの選手をそんな形で配置するかは重要なカギになります。それを考える時に参考にしたいのが3つの優位性です。一番、分かりやすいのが相手とシステムをかみ合わせた時に、システム上のアンバランスが出るようなら、そこに数の優劣が出ます。これが数的優位です。サッカーでもっとも多く話される優位性ではないでしょうか。自分たちが数で勝るところで勝負するのは当然ですので、それを活かせる選手を配置しましょう。次に、全体的に個々の質(力量、競技力)で優位に立てるなら、ミラーシステムといって、相手のシステムとがっぷり四つで噛み合わせます。必然的に個の対戦(マッチアップ)が多くなりますので、結果的に優位に立てます。これが質的優位です。最後の3つ目に、先程の数的優位と少し似ていますが、位置的優位というものがあります。意図的にミスマッチやアンバランスを作り出すように人の配置をずらします。どこかで数的優位に立つということは、反対に数的不利になるところがあります。ここで数で勝る相手に対して、ポジションで優位に立とうとするものです。例えば、1トップで挑んだ相手が2人のCBを配置したとします。すると、ここでは数的には不利になりますが、常に相手の2人のCBの間にポジションを取り続けることで、相手はマークがしにくくなり、数の優位性が消えます。この3つの優位性を意図的に発揮できるように、人を配置させる、または、その戦術を理解できる選手を出場させましょう。

    まとめ

    1. そもそも「戦術」とは?=戦略を実際の戦う術へと整理したもの
    2. 8人制で戦術を遂行するには=人の配置が物を言う
    3. 3つの優位性を考えよう=数的、質的、位置的優位を意図的に活用



    今回は少し勝負にこだわった戦術の話をしました。しかし、育成年代においては、あくまでも育成が主たる目的であることを忘れてはいけません。決して選手を駒のように扱うのではなく、そこには心があるのだということを常に意識し、メンバーやシステムを上手に機能させてあげましょう。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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