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    8人制サッカーのポジション!その考え方は育成のためになっていますか?


    現在、日本の少年サッカーは主に8人制で行われています。
    ピッチの広さは、縦68×横50が推奨され、大人の約半分のピッチで行われています。
    理由の1番は「選手の育成のため」です。
    育成関係者の中でも賛否両論あり、議論がなされていますが、行動を起こしたサッカー協会は素晴らしいと思います。
    ただ、末端の現場ではまだまだ「育成」の考えが抜け落ちているように感じます。
    もちろん、公式戦の存在やチームの成り立ち等理由はありますが、まだまだ協会も現場の環境の改善の必要があるのかもしれませんね。
    我々指導者も考えは違えど、「育成」という共通のテーマの元、日々指導に当たらなければなりません。
    今回はそんな8人制のサッカーにおいてのポジションが持つ意味を理解し、
    指導に役立てられたらと思います。

    ポジション=役割ではない

    サッカーではポジションの名前を聞くと、8人制や11人制に関わらず、ある程度どのような役割か想像する事が出来ます。
    フォワードは点を取る選手、ディフェンダーは守る選手、右サイドは右サイドといった具合にプレーエリアと役割を定められています。
    11人制のピッチでサッカーとなると、ある程度の役割や決まり事があってチームが成り立ちます。
    しかし、8人制の少年サッカーとなると少し話は変わります。
    極端な例を出して見ましょう。
    1人制のサッカーがあるとします。
    ピッチに立つ選手は、キーパーからディフェンダー、フォワードといった役割を全て1人でこなさなければなりません。
    なぜなら、ピッチで戦える選手はたった1人だからです。
    話を戻すと、8人制は11人制よりも人数が少なくなるので、担当するエリアやプレーの幅が大きい方が、チームの勝利へと近づけます。

    まさにそこが人数を減らした事の狙いで、8人制サッカーで闘うには複数の役割をこなさなければなりません。
    現代サッカーはポジションにおける専業の傾向は無くなっていますが、8人制サッカーだとより兼業である必要があります。
    8人制サッカーでディフェンダーもボールを奪う能力だけでなく、ビルドアップの能力も身につける事が出来ます。
    11人制を少年サッカーで行うと、前にも攻撃の選手がたくさんいるので、「預けるだけ」のパスばかりになるかもしれません。
    ポジションが持つ一般的な役割に縛りすぎないようにしましょう。
    またセンターバックがドリブルで持ち上がり、シュートまでいっても何も問題ありません。

    たくさんのポジションを経験させよう

    「この選手はテクニックが無いから中盤には不向きだな…」「背が低いからセンターバックは任せられない」
    確かに完全に間違った意見だとも思いません。
    それぞれの適正に合ったポジションで長所をより鍛える事は出来ます。

    しかし、まだまだ育成の段階です。
    テクニックがない選手にこそ8人制サッカーでゲームメイクのポジションを任せてみてはいかがでしょうか?
    テクニックが無い分、すぐにボールを奪われチームの負けにつながる事もあります。
    でも、テクニックが無い分相手に触られないポジションを見つける事を工夫し、奪われないようにより判断のスピードを上げる事が出来るかもしれません。

    身体が大きくない選手が8人制サッカーのセンターバックのポジションをするとどうでしょう?
    人数も少なく、スペースがあるため、能力の高い選手が相手となると絶望的です。
    でも、読みの鋭さや出足の速さを身につけ、能力差のある相手に堂々と立ち向かえるようになるかもしれません。
    むしろ元々あった技術の高さを活かして、効果的なビルドアップで前線に良いボールを供給でき、攻撃の起点となれるかもしれません。

    このように
    様々なポジションの経験は、選手にとっても刺激になります。
    指導者の働きかけ次第で、新たに能力開発ができ、将来に生かすことが出来ます。

    勝ちに行くのでは無く、プレーを学ばせる事

    「8人制サッカー」の話になると、「どのフォーメーションで、どのポジションなら強いか」といった話を耳にします。
    たしかに、完成されたプロサッカー選手であれば、そのような議論があっても不思議ではないです。
    しかし、プレーを学びきれていない少年の8人制サッカーであれば、ポジションを決め決まり事のように戦術で抑え込みすぎると、選手はプレーを学ばないまま大人になってしまいます。
    サッカーには、「ビルドアップ」「速攻」「前線からのプレス」や「壁パス」「オーバーラップ」など様々な戦術的要素を含んだプレーの方法が存在します。
    8人制のサッカーでは、そういったプレーの方法を各ポジションで学ぶのに適しています。
    なぜなら人数が少なく、11人制よりも構造がシンプルだからです。
    シンプルな構造の中でプレーする事で、より良くプレーする事を学んでいきます。
    役割に縛りすぎない事で、2バックのセンターバックのポジションの選手がオーバーラップする事もあるでしょう。
    時にはそのことがきっかけで失点するかもしれません。
    ただ、その経験を生かし味方にコミニュケーションを取りポジションを埋めさせることができるかもしれません。
    また、上がるタイミングを理解出来るかもしれません。
    「8人制でどのようにポジションを配置して勝つか」ではなく、「少なくなった人数で、どのようにプレーを学ばせるか」という視点が、育成には必要だと思います。

    まとめ

    1、ポジション=役割ではない
    2、たくさんのポジションを経験させる
    3、勝ちに行くのではなく、プレーを学ばせる

    少し話は変わりますが、「フットサル」はサッカー選手の育成にとても役立つと言われています。
    その理由の1つが今回のコラムで分かっていただけたのではないでしょうか?
    8人制サッカーは特殊だからそれに応じたポジションや戦術がある、というような事はありません。
    人数が少なくなる事で、よりサッカーを上達させるためのツールが、8人制サッカーなのです。
    そんな視点を持って、選手のポジションを決めていただけると幸いです。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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