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    8人制サッカーの戦術を8人制の意図と特徴から学ぼう


    全日本少年サッカー大会が8人制になってから、かなりの年数が経ちました。
    現在では、過去に11人制で実施していたことが信じられないくらい8人制サッカーが認知されてきています。
    今回は8人制サッカーにスポットを当てて、戦術について考察していきます。

    小学生年代が8人制サッカーになった理由は

    そもそも11人で行うサッカーをなぜ8人制で行うようになったのでしょうか。
    ここで8人制サッカーのポイントを整理してみます。
    8人制サッカーになったことでもっとも戦術的に関係の深いポイントは、プレー回数が増えるということです。
    プレー回数が増えることは、判断の数が増えることにつながります。
    それは育成年代の選手にとって有益であるということに間違いありません。
    選手個人の判断は全体の戦術を支える大切なポイントになるからです。
    次に、プレーの回数が増えることにも類似しますが、ボールに触れる回数が増えるということもポイントの1つです。
    まだまだ技術が伸びていく育成年代です。
    試合という最高の設定の中でボールに多く触れることは、どんなトレーニングにも勝ります。
    実際に2008年に行われた11人制の全日本少年サッカー大会と2009年に行われた8人制のチビリンピックの準決勝以降のデータを比較すると、8人制ので行われたチビリンピックのほうが倍近くのプレーをしているという事実もあります。

    8人制サッカーの戦術的発展が見込めるメリット

    攻守にわたって、ゴール前のプレー、戦術が日本の課題だと言われて久しいですが、8人制サッカーでは、このゴール前の局面を多く引き出すことができます。
    先述の同じ大会データですが、11人制に比べて、8人制サッカーにおける1人あたりのシュート数は約3倍、ペナルティエリアへの侵入する数は約2倍となっています。
    また、シュートを打った選手の数も、11人制では平均4.5人、チーム全体では25%ですが、8人制サッカーでは平均7.5人で、チーム全体の42%までに上ります。
    11人制よりも、8人制のほうがゴール前の戦術を学ぶには適していると言えるのではないでしょうか。

    まだある8人制サッカーの戦術練習ができるメリット

    8人制サッカーではシュートを打つ選手数が多いという話がありました。
    それはつまりどのポジションでもシュート、攻撃に関わるということであり、同時にどの選手も守備をしなければならないということです。
    同じ試合で攻守両面を同時に経験することで、育成年代に必要なサッカーの全体像の基礎を学ぶことができます。
    また、8人制サッカーでは、11人制と比べて当然、人が少なくなり、スペースも広くなります。
    そうすることで観るものが明確になります。観ることはより良い判断の材料です。
    時間的な余裕は判断の段階的な練習になり、豊かなアイデアを生み出すことになります。
    年齢を重ねて行けば、狭いところや時間のない時にも正確な判断と技術の発揮が求められますが、育成年代ではその基礎を抑えるべきです。

    8人制サッカーのシステムから学ぶ戦術行動

    育成年代の8人制サッカーであっても、当然、3–3–1と言ったようなシステムは必要だと思います。
    育成年代、特に小学生年代でチームコンセプトは不要だと思いますが、全体像を学ぶのにシステムは必要ですし、守備に戻る時の基準にもなるでしょう。
    では、育成のための8人制サッカーのシステムは何がベストでしょうか。
    それは双方のチーム、特に指導者の協力が必要ですが、2–3-2や3-1-3などのシステムを相手と組み合わせて、ミラーシステムで行うのが良いでしょう。
    (ミラーシステムとは相手と対称となるようにシステムを組み、きれいに1人ずつマッチアップができること)
    なぜなら、そうすることで最初からできているシステムのアンバランスや人のアンマッチ、ミスマッチで攻略するのではなく、自分たちで目の前の個を破ったり、意図的に数的優位をつくる、あるいはタイミングよくカバーに入るなどの戦術行動をとらなくてはいけなくなってくるからです。

    それでもチームの特色を出したいなら…

    それでも、8人制サッカーであっても、チームとしての特徴をより発揮したいということもあると思います。
    その場合も相手を分析して、その相手の力を消すためにシステムを利用するのはやめましょう。
    また、個の力不足を組織で隠すのではありません。
    あくまでも育成年代ということを念頭におき、自分たちのサッカーを発揮するという目的から考えましょう。
    より攻撃的に行くのなら、 2-1-3-1をオススメします。
    GKも攻撃に参加すれば、よりピッチを幅広く活用でき、パスを回すためにも多くの図形が描けます。
    パスラインも多くでき、流行りの5レーンとまではいかなくとも、4レーンくらいは意識して活用すれば、選手間の距離も良くなり、攻撃に最適ではないでしょうか。
    守備的に考えるのでしたら、3-3-1ではないでしょうか。
    全体のバランスが良く、ピッチをまんべんなくカバーできます。
    いわゆるブロックが組みやすいということにもつながっていきます。

    まとめ

    1.小学生年代が8人制サッカーになった理由は=1人のプレー回数を増やすため
    2.8人制サッカーの戦術的発展が見込めるメリット=ゴール前の攻防を増やす
    3.8人制サッカーの戦術練習ができるメリット=全員の攻守のプレーが明確化
    4.8人制サッカーのシステムから学ぶ戦術行動=ミラーシステムを活用しよう
    5.それでもチームの特色を出したいなら…=攻守の特徴を考えて組んでみよう


    8人制サッカーであっても、大事な戦術的な要素は変わりません。
    それは、戦術を支えるのは、あくまでも選手の判断や良い習慣といった個人戦術であり、技術であるということです。
    そして8人制サッカーというものは、育成年代で大切なそれらを磨いてくれるためにある、ということが一番の存在意義です。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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