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    サッカーのポジションをシステムの変遷と育成の観点から考える


    サッカーにおいてポジションというのは話題に事欠きません。
    新聞史面やその他のマスコミでもそうですし、少年少女のカテゴリーでも話のネタにいくらでも上がってくるでしょう。
    今回はポジションとは切っても切れない関係であるシステムの変遷について考察します。
    また、それに伴う新しいポジションの発生、育成年代におけるポジションについて考えてみたいと思います。

    サッカーのポジションとは

    ポジションとは簡単に言うと、選手の配置のことです。
    それゆえ一旦、試合が開始されると流動的になってしまうサッカーではポジションについて色々な見方をされることがあります。
    例えば「ポジションは最初だけ(または守備の時だけ)」「あってないようなもの」などです。
    ここではポジションをFW、MF、DF、GKの4つに分けて説明していきます。
    (あくまでも一般論です。)
    ①FWは位置的に最前線に配置されます。
    主に得点を奪うことやチャンスメイクをすることですが、現代サッカーでは守備も求められています。
    ②MFはシステムを横に区切った時にほぼ真ん中に配置されるポジションです。
    攻守に渡り仕事が多く、テクニックや運動量、戦術眼も要求されます。
    ③DFは自陣のゴールを守り、ボールを奪う役割を持ちます。
    現代サッカーでは攻撃の組み立てと言われるビルドアップの能力も必要になってきます。
    ④GKは自陣ペナルティエリアで唯一手を使ってプレーができる選手です。
    GKは攻撃の第一歩と言われるように、ビルドアップやカウンターの担い手にもなります。
    なぜ、この分け方をするかと言うと、後述の通り、細かいポジション分けはありますが、登録や記録は必ずこの分け方になるからですね。
     

    サッカーのシステムの変遷

    ここで少しサッカーのシステムの変遷の歴史を見ていきましょう。
    意外に思われるかも知れませんが、サッカー誕生当初は11人制の中にGKにあたるポジションはありませんでした。
    つまり、意外なことに一番最初に開発された新ポジションはGKだったのですね。
    次の大きな変遷はルールの変更が大きく関与しています。
    それはズバリ、オフサイドです。
    今でも素人の方に説明するのは難しいとされているオフサイドの反則です。
    昔はボールよりも前にいる選手は全てオフサイドでした。
    次が3人制でした。
    簡単に言うと、ボールを受けた時に相手ゴール側に3人(通常1人はGK)いなくてはいけなかったのです。
    そこでパスの有効性が生まれ、守備を強化するDFという概念が生まれました。
    現行のオフサイドルールが採用されると、より守備に割く人数が増えるという歴史です。
    以後、戦術の変化とともにシステムも多様な変化を見せます。
    そこで次からはその過程で生まれたポジションを見ていきましょう。

    システムの変遷の過程で生まれたサッカーのポジション例

    代表的なものを説明していくと、まずはリベロです。
    イタリアではカテナチオという閂を意味する言葉があります。
    1−0で勝つことを美学とした考え方ですね。
    その守備重視の戦術の重要な役割を担っていたのがスイーパーです。
    主に攻撃にも参加する選手をリベロとも言います。
    通常のディフェンスラインの後方にもう1人DF(スイーパー)を配置することでより守備を強化する狙いです。
    今日、あまり見かけることはなくなったポジションです。
    次にトップ下です。
    1.5列目とも言われますが、主に1人で担う場合を指します。
    (2人ではシャドーと言われたりします。)
    MFの枠組みながら、守備を少し免除される傾向があり、その分、攻撃に威力を発揮できる選手を配置しました。
    華麗なテクニックやセンスを発揮することからファンタジスタなどとも呼ばれました。
    しかし、1990年代に席巻した4−4−2のゾーンディフェンスの隆盛により、守備のできないトップ下というポジションは姿を消していきました。

    育成年代に必要なサッカーのポジションの考え方

    育成年代におきましてはポジションを固定してしまうのはやめましょう。
    性格的な偏見やレッテルで固定化するなんてのは問題外です。
    ましてや、うまい選手が真ん中、そうでない選手はサイドというセレクトの仕方は悲しくなります。
    もちろん、それぞれポジション毎に求められるものが異なります。
    ですので、それぞれのポジションで必要な要素を指導するのは当たり前です。
    しかし、どんなポジションであっても共通して必要とされるものがあります。
    それが技術と個人戦術です。
    育成年代ではこれらの技術や個人戦術を学ぶことに重きをおくべきなのです。
    パスやコントロール、ドリブルといった技術もそうですし、その技術をいつ、どこで発揮するのかの判断も大切です。
    なぜなら、今後もルール変更や戦術の開発で新しいシステムが生まれる可能性があります。
    その時にどんな要求にも応えることができるように、育成年代ではGKも含めて多くのポジションを経験し、次のステップにつなげていく方が重要なのです。

    11人制以外のポジションの考え方

    育成年代では8人制、または9人制などで試合をすることがあります。
    また、トレーニングにおいても人数を削って試合形式のトレーニングを行うことがあります。
    この目的は日本の課題であるゴール前の攻防を意図的に増やしたり、ボールに関わる機会を増やすためです。 
    (単純に人数の問題もあるかも知れません。)
    この時、何も考えずにポジションを減らすのはやめましょう。
    その日のトレーニングの目的や長期的な育成を視野に入れて、11人のどのポジションを削っているかを考えて決めましょう。
    ヨーロッパのクラブでは、トップダウンでシステムが決定されている場合があります。
    そのシステムに沿って、例えばU−13では真ん中のMFとCBを1人ずつ削って9人とします。
    あるいは、5人でやる場合も11人制から逆算して必要なポジションから埋めていきます。

    まとめ

    1.ポジションとは=選手の配置のこと。大きく4つに大別されます。
    2.システムの変遷=ルールや戦術の開発が大きく関与しています。
    3.変遷の過程で生まれたポジション例=リベロ、トップ下等が誕生しました。
    4.育成年代で必要なポジションの考え方=育成重視。固定化は避けましょう。
    5.11人制以外のポジションの考え方=逆算して考えましょう。

    大事なことは目先の勝利のためにポジションを固定化したり、選手には合っていないのに流行に踊らされたシステムを採用しないことです。
    あくまでも育成年代は選手の個性からシステムを決定し、たくさんのポジションを経験できる機会を作ってあげることが大事ですね。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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