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    【サッカー戦略編】サッカーにおける戦略の考え方!


    今日は技術的な面から少し離れて、今日は私の戦略についての考え方を紹介したいと思います。今日の内容はジュニア年代の指導者の方には当てはまらないことが多いかとは思いますが、参考までに読んでいただけると嬉しいです。

    戦略?戦術?サッカー哲学?

    「戦略」とは「戦術をより大きな視点から捉えたもの」という意味です。
    言い換えれば「戦術」というのは「戦略の一部である」と言えます。
    英語で「戦略」という意味で使わているのが「フィロソフィー(哲学)」です。
    ストラテジーではないのか?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、サッカーの世界ではフィロソフィーは、戦略としての意味合いが強いです。

    日本でもサッカー哲学という言葉が広く使われるようになってきましたが、それはフィロソフィーを直訳したものだと思われます。
    「哲学」という言葉に翻訳されたことにより、とても曖昧なものという捉え方をされている方が多いかもしれませんが、オーストラリアのコーチングコースで一番最初に行われたサッカー協会のフィロソフィーの説明では、その内容は「哲学」というよりも「戦略」のほうがより正確な表現でしょう。

    サッカー指導者に戦術論は必要ない

    サッカー指導者というと戦術に詳しいというイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうである必要はありません。
    サッカー指導者に必要なのは戦術論ではなく、戦略(フィロソフィー)だと考えます。

    ここでサッカー哲学として考えてしまうと、「美しいサッカー」や「日本人らしいサッカー」などという曖昧なものをイメージされてしまうかもしれませんので、ここからは「戦略」という言葉に統一させていただきます。

    戦略の土台

    では、サッカーの戦略とは具体的にはどういったものでしょうか?
    まずサッカーの試合の目的をはっきりさせる必要があります。それはシンプルに「試合に勝つこと」です。
    そして、試合に勝つには、「試合終了時点で相手より一点でも多く点を取っている」必要があります。
    ここまでは普遍的な部分であり個人的な考えが反映される余地はないはずです。

    もし「結果なんてどうでもいいから、見ている人が楽しむサッカーをしたい」というような指導者がいたら、それは競技志向のサッカーではないので、ここで話をしているサッカーとは異なるスポーツになります。


    では、「どのようにして試合終了時点で相手より一点でも多く点を取るのか?」
    それが戦略の土台になります。
    「失点をしないようにしながら点を取る」のか、「失点は気にせず、それを上回る点を取る」のか、その中間なのか、中間よりも攻撃的なのか、などこの答えは個人個人の経験や知識などによって導き出されるでしょう。

    3つの戦略の土台と具体的な方法論としての戦術

    「戦略の土台」が決まったら、次はそれ実現するためのより具体的な方法が必要になります。
    「戦略の土台」を実現するためには、次の3つの観点から考える必要があります。
    「どのようにして点を取るのか」「どのようにして失点を防ぐか」、そして「その2つをどのようにリンクさせるのか」の3つです。

    現代サッカーでは、上記の3つを「ボールを保持している(BP)」「相手チームがボールを保持している(BPO)」、「ボールを失った瞬間(BPO>BP)」、「ボールを奪った瞬間(BP>BPO)」の4つ状況に分けて考えることが主流ですが、このベースになっているのは「戦略の土台」であることを忘れないようにしましょう。

    そして、これらの状況のさらに具体的な手段を考える必要があります。
    そのときに重要なのは、「どの状況で(いつ)」「どのエリアで(どこ)」「どのプレーヤーが(だれ)」「どんなプレーを(なに)」「なんのために(なぜ)」するのかを常に明確にする必要があります。

    これがいわゆる戦術と呼ばれる箇所になります。そして「戦略の土台」部分からこの「戦術」の部分までが総じて戦略となります。

    サッカーの戦略を考えるために必要なのは論理的思考

    戦略を考えるのに必要なのは「戦術に対する豊富な知識」ではなく、常識に問われることなく考えられる「論理的思考力」だと思います。

    そして、自分の論理的思考能力を使って、サッカーという複雑怪奇な問題の答えを導き出す過程こそが本当の「哲学」をするということではないでしょうか。

    サッカー解説者とサッカー指導者は似て非なる職業

    日本では解説者から監督になる人も多く、解説者とサッカー監督に必要なスキルが混同されがちですが、戦略だけを抜き取ってわかりやすく説明したり、キャッチーなフレーズや単語を使って読者や視聴者の興味を引くのがジャーナリストや解説者の仕事です。
    対してサッカーの指導者はゼロから自分の戦略を作り上げ、それを実現するための練習を行うのが仕事です。

    特にサッカー指導者を目指す人の中には、戦術論が好きで指導に興味を持ち始めた人が少なくないとは思いますが、そういう人ほど情報収集に夢中になって、気づけば指導者ではなくジャーナリストのような言動になってしまうことがあります。
    また、戦略の土台は持っていてもその具体的な方法論が掘り下げ切れていないということもよくあります。
    是非、一度自分の戦略について「哲学」する時間を取ってみてください。
    少し偉そうなことを書いてみましたが、これは過去の自分に向けたメッセージです。

    執筆者

    大野元春

    1987年生まれ、千葉県八街市出身。イングランドでコーチングライセンスを取得した後、現在はオーストラリアのナショナルプレミアリーグのMonaro Panthers FCでU18の監督を務める。オーストラリアサッカー協会Bライセンス取得中。http://blog.mottofoot.com
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