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    サッカーのゲームで活せるリフティングを練習しよう!


    6月に開幕した世界最大のイベント、FIFAサッカーワールドカップもフランスの2回目の優勝で幕を閉じました。(2位クロアチア、3位ベルギー、4位イングランド)1ヶ月に及ぶ長い熱戦も終わってしまい、サッカーロス、ワールドカップロスというところでしょうか。さて、まさにワールドクラスの選手がサッカーのゲームで見せる(魅せる)テクニックは、どのようにして培われてきたのか?選手はもちろん、指導者も気になるところですね。今回はサッカーのテクニックの中でも、リフティングに絞って話を進めていきたいと思います。

    日本人とリフティング

    前回、「スポーツの観点でトレーニングを考える」コラムの中で、『1人でサッカーボールを使って何かするとなると、日本人はリフティング、ドイツ人はゴールに向かってシュートを打つ。2人なら日本人はパス、ドイツ人は1vs1をしたり、GKとシュートする。そんな国民性がある。』と紹介しました。これは筆者が聞いた話をおぼろげに思い出したものですが、今回のテーマから改めて調査をしました。
    サッカー日本代表U-16の森山監督も『グラウンドに自分一人しかいなくて、ボール一つの場合、日本人ならリフティングをするでしょうが、ドイツ人はシュートをします。2人なら日本人はパス練習をするでしょうが、ドイツ人は1vs1をします。5人なら日本はDF1人のパス回し、ドイツではGKつきの2vs2とサッカーに対する意識が違う。』と話した記録があります。ドイツでは初歩の段階から、サッカーとは点を取り合い、ボールを奪い合う戦い(スポーツ)だという考え方が植えつけられるのでしょうね。
    日本とは精神性が異なる、つまり、前回も書きましたが、国民性が出るのだと思います。そして、この違いが各国の代表チームで具現化されるサッカーの全体像(言わばスタイル)の違いになるのではないでしょうか。全ての日本のサッカー選手や指導者がリフティングをする、あるいはさせる訳ではないかも知れません。しかし、ステレオタイプとしてこの表現は言い得て妙だと思います。

    リフティング練習のメリット

    では、1人しかいない時にサッカーでの練習としてリフティングをすることは悪いことなのでしょうか。もちろん、答えはNoです。その理由、リフティング(練習)のメリットを探っていきましょう。まずは、ズバリですが、1人でできると言うことです。また、1人ですので、スペースもそこまで広くなくても練習可能です。(但し、1回毎にボールが意図しないところに飛んでいく場合は大きいスペースが必要ですが…)さらには、チーム(指導者)から出される宿題としても効果的です。1人でできますし、リフティングはボール以外に必要な道具はありません。また、結果が数字でわかるので、分かりやすいゴール、記録にもなります。連続100回はできなくても、10回までなら地面に落としても良いなどルールを決めれば、課題として難易度も調整しやすいからです。加えて、リフティングの最高記録を目指すというモチベーションや、「あいつよりできるようになりたい」「チームで1番になりたい」などの競争心も育めるでしょう。結果的に同じ時間であっても、リフティングは1人でずっとボールを触り続けるので、ボールフィーリングを養うには、非常に有効です。それに付随して、サッカーに必要な集中力も磨かれるのではないでしょうか。おおよそですが、リフティングを1000回やるには15分ほどかかります。やり方にもよりますが、インステップでボールの中心をしっかりとらえて、ボールを頭よりも高く上げないようにコントロールしながらリフティングすると、15分間はかかるでしょうただ、なんとなくなやるようでは、15分は続きません。集中して挑むことが大切ですし、逆に言えば、1000回できれば、それくらい集中していると言えるでしょう。

    リフティング練習のデメリット

    それでは、反対に、デメリットとは何でしょうか?筆者が小学生の頃は、リフティングの練習はどちらかと言うと遊びの範疇でした。リフティングをしているところを観られると、サッカー関係者や他競技の関係者からも「遊んでばかりじゃなく、ちゃんと練習しろ」「これだからサッカーは遊びみたい…」と言われることもありました。実際にサッカーの試合中に、地面にボールを落とさないことを目的として、連続でボールをタッチすると言うことは、ほとんど有り得ません。つまり、リフティングはサッカーのゲームに対するリアリティという意味では、ないに等しいのです。ボールを落とさないことだけに集中すると、猫背になりがちで、姿勢が悪くなりますし、当然、周りを見る必要もないので、周囲の変化を感じる感覚も養えません。そして、決定的なものとしては、サッカーに必要な判断がないことです。もちろん、瞬時「どの部分でボールを触るか?」などはありますが、サッカーに必要な判断をする機会はゼロでしょう。そして、サッカーに大事な「判断するために観る」ということも習慣化されません。スキルとしては獲得できますが、そのスキルを発揮する場面がないということですね。では、どうすれば、ゲームで活きるようなトレーニングがリフティングでできるでしょうか。次に、工夫を凝らす方法を考えてみましょう。

    試合で活きるテクニックをリフティングで養うには?

    逆説的ですが、デメリットに注目して、例をあげて考えてみましょう。
    まず、サッカーにおいて姿勢は大切です。リフティング中も姿勢が良くなるように意識することが大切です。良い姿勢とは?について詳細は割愛しますが、上から棒を通してもらうイメージ)また、2人組でリフティングをして、ボールを持っていない選手にDF役になってもらいます。そして、背後からリミテッドプレッシャーをかけてもらい、押し負けないように踏ん張りながらリフティングします。そのためには猫背では簡単に前のめりになってしまうので、姿勢の矯正には有効です。相手を見るということに関しては、今度はDF側に押してもらうのではなく、前側に回ってもらうようにしましょう。前に回られてボールを突かれないように、相手を感じながらリフティングをします。周囲を観る練習としては、1人ではできませんが(周りを見る必要があるので当然ですが)、複数の選手でリフティングしながら、ボールを交換すると良いでしょう。もちろん、色んなアレンジをすれば面白くできます。

    まとめ

    1. 日本人とリフティング=サッカーに対する考え方が出ている
    2. リフティング練習のメリット=1人でできて、集中力も強化
    3. リフティング練習のデメリット=リアリティがない
    4. 試合で活きるリフティング練習は?=デメリットから考える

    今回はリフティングにスポットを当ててみました。
    色々とリフティングには賛否両論ありますが、思い切ってボールを落としても良いリフティングも取り入れてみましょう。3回に1回を高くあげて、それを地面と足の裏で挟んでコントロールするなど、リフティングとボールコントロールの練習を混ぜてみましょう。リフティングの良いところを活かしつつ、落としてもOKという視点を持って練習を計画すると、違ったアイデアが生まれるかも知れませんね。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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