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    サッカー練習メニュー作成における注意事項~低学年編


    私のコーチとしての一番の最初の仕事は都内のとあるサッカースクールでのアシスタントコーチでした。
    当時は、曜日の異なる2人のヘッドコーチの下でアシスタントを行っていたのですが、どちらのコーチも子供の扱い方やコーチングがとてもうまく、今思い返しても本当に為になることばかりでした。

    現在も、監督として担当しているのはU18ですが、クラブが主催している小学生向けのサッカー教室にもアシスタントコーチという形で関わっています。

    そこで今回は小学校の低学年向けの練習メニューの作成について考えてみたいと思います。

    低学年の練習は技術習得が目的ではない

    オーストラリアサッカー協会では、U6-U9までの年代を発見期(Discovery Phase)と呼んでおり、この年代で一番大切なことは、
    ・サッカーの楽しさを知る
    ・多くの挑戦と失敗を経験する
    ・サッカーを通してサッカーを学ぶ
    とされています。

    技術習得を目的としないのは、技術の習得はゴールデンエイジと呼ばれるU10-U13で行うのが最も効果的であり,低学年では技術習得には早すぎるとされているからです。
    また、ゴールデンエイジでの成長を最大限に高めるためにも、低学年のうちに様々な形で身体を動かすことによりコーディネーション能力を高めることもポイントになります。
    そのため、「サッカーを通してサッカーを学ぶ」とは言っていますが、練習の導入として、サッカー以外のスポーツの動きを取り入れることも推奨されています。

    サッカー低学年向け練習メニューの作成のポイント

    この年代での最大のテーマが「楽しむこと」であり、技術的指導が求められていないということから、メニュー作成という点におていは他の年代よりもシェアトレや本などで見つけた練習メニューをそのまま使用することもできるでしょう。
    また練習メニューを一から作る場合においても、なるべく自然に子供たちが楽しめる状況を作り出すことが重要になりますので、基本的にはゲーム形式の練習になるか、あとは個人で課題にチャレンジするような形式になり、他の年代よりも作成は容易だと思います。

    しかし、シンプルな練習ほどディテールに注意を図る必要があります。

    サッカーを楽しむ為に必要な要素

    低学年で一番大切なことは「サッカーを楽しむこと」です。
    では、サッカーの楽しみとはどういったことでしょう?
    まず、サッカーならではの楽しみとしては、
    ・ゴールを決めること
    ・ボールを蹴ること
    ・チームとしての一体感

    が挙げられるでしょう。

    「ゴールを決める喜び」を得るためには、なるべく多くゴールを決められるようなルール設定が必要となります。それは、ゴールの大きさや、ゴールの数を増やすことなどにより調節が可能です。
    「ボールを蹴る喜び」を得るためのポイントは単純で、なるべく1人1つのボールを持つ時間を多くすることです。ただし、ずっと1人1つのボールを持っている状態では、「チームとしての一体感」を味わうことができなくなってしまうため、バランスが必要になります。

    そして、サッカーに限らず子供が楽しみを覚えるポイントとして重要なのが、「達成感」になります。
    サッカーの練習では、主に以下の2つから達成感を得られることが多いです。
    ・試合(ゲーム)に勝つ
    ・出来なかったことができるようになる

    そのため、達成感を得るためには「勝敗が決まるルール」もしくは、「個人でクリアするための課題を与える」ことが必要になります。
    練習メニューとしては楽しそうなのに、「勝敗」という観点が欠けているため、子供たちが思ったほど楽しめていないというのはよくあることです。
    また、個人でクリアする課題というのは、簡単にできてしまうものでは十分な「達成感」を得ることはできません。そして、その基準は選手によって異なることにも注意が必要でしょう。
    そのため、個人で課題にチャレンジするような練習では、常に幾つかの難易度を用意しておき、一つクリアしたら次の課題に挑戦できるように事前に準備しておく必要があります。

    練習の微調整が大事

    「サッカーを通してサッカーを学ぶ」こともこの年代では重要なことです。

    それは、昔のサッカー選手がストリートサッカーで自由にプレーすることで、コーチなしでサッカーが上達していったように、なるべく自然な状況で試合をすることで自然と上達できるような環境作り必要となります。

    ゲームにおける環境とは、主に「ピッチサイズ」「時間」「ルール」になります。
    「ピッチサイズ」が大き過ぎると、ボールを持たずに走る距離が増えたり、選手がプレーに関与する回数が減ったり、上手い選手だけがずっとボールを持ってしまうという状況も生まれやすくなります。

    また、この年代の子供達の集中力は長く持たないので、「試合時間」が長すぎると集中力が切れてしまい、サッカーに対する興味を失っていまいます。

    そして、サッカーを楽しむために一番大切なことは試合でプレーに関与することです。
    そのためには、ひとりひとりのプレー関与時間を最大化する必要があります。
    その方法としては、1チームあたりの人数を少なくしたり、ボールを2つ使うなどの「ルール」によって調整することが可能です。

    低学年の練習メニュー作成は調整力が重要

    この年代では、気に入った練習メニューをそのまま使うこともできますし、オリジナルの練習もシンプルなものに限られるためにメニュー作成はそこまで難しくはありません。
    ただし、ピッチサイズや時間などの細かな設定の選手たちに与える影響は、他の年代とは比べ物にならないほど大きいです。

    執筆者

    大野元春

    1987年生まれ、千葉県八街市出身。イングランドでコーチングライセンスを取得した後、現在はオーストラリアのナショナルプレミアリーグのMonaro Panthers FCでU18の監督を務める。オーストラリアサッカー協会Bライセンス取得中。http://blog.mottofoot.com
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