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    サッカーのヘディングにおける育成年代の安全性とヘディングの必要性


    親子で練習 アジリティ(足の速さ) 組織守備 ドリブル 基礎練 ゴールキーパー(GK) フィジカル 雨の日 コーディネーション オフザボール 2対2以上 個人守備 ファンメニュー ヘディング トラップ 1対1 自主練 対人 ウォーミングアップ 戦術 体の使い方 パス&コントロール ミッドフィルダー(MF) フォワード(FW) 攻守の切り替え ディフェンダー(DF) シュート

     サッカーのヘディングは、キックやコントロールといった技術の1つであり、守備のタックルやマークなどと同様に、育成年代から学ぶ重要な技術の1つです。
    ところが、近年、特に育成年代のヘディングに関して、色々な意見が出ています。
    ここでしっかりと整理しておきましょう。

    サッカーのヘディング禁止というニュースと広まる風潮

    2015年、アメリカで10歳以下の選手のヘディングが禁止となるニュースが発表されました。
    また、11歳から13歳の選手は、練習におけるヘディングの回数に制限が設けられました。
    (禁止している内容詳細は、団体や連盟、地域によって差異がある)

    この背景には、アメリカサッカー協会が裁判を起こされたのが発端となっており、選手の保護者で作る原告グループは、裁判での合意条件として、ヘディングの禁止や脳震盪について啓蒙することを盛り込みました。
    10歳以下のヘディングが禁止になったのは、裁判で原告側との和解のために必要な条件だったというのと同時に、他の団体がこの禁止規則を取り入れていったのも、子どもの安全を守るという目的の他に、訴訟対策というリスクマネジメントの意味合いもあるのでしょう。
     
    2016年にはサッカーの母国イングランドでも、プロサッカー選手協会が脳機能への危険性の高まりを受けて、10歳未満の子どものヘディングを禁止するように、イングランドサッカー協会に提言しました。
    さらには、同じ英国内のスコットランドでは、ユースサッカー協会がヘディングに関するガイドラインを見直すことにしました。
     
    最近の話では、イングランドの往年の名選手、アラン・シアラーがヘディングが原因による認知症を心配している、または詳しい調査をするというものが話題に上がっています。

    サッカーボールを頭で扱うということ

    ヘディングは頭でボールを扱うという他のスポーツではほとんど見られないプレーです。
     
    では、このサッカーで使用するボールは、どんなものなのでしょうか。
    ルールでは、試合で使用する公式球が定められており、その重さは試合開始時に450グラム以下、410グラム以上となっています。
    ちなみに、空気圧は海面の高さで0.6から1.1気圧(だいたい0.9が多い)で、外周は70センチ以下、68センチ以上となっています。
    最近のボールは材質やパネルの組み合わせにより、高反発になったり、ブレが強くなったりしますが、重さは大きく変わりません。
    450グラムと言えば、よく手にするようなドリンクのペットボトルとほぼ同じ重さです。雨で水を吸った時は、ヘディングするにはあり得ない位に重くなります。

    それがシュートでは、時速100キロを大きく超えるスピードで飛んでくるのですから、人体で最も重要な頭に、このボールが当たったことを考えると、危険だという認識は事実かも知れません。

    実際に筆者も経験がありますが、シュートが頭に直撃した時や、GKのパントキックを直接、ヘディングした時の衝撃は、本当に「目の前に星が飛んでいる」ような感じでした。

    また、無意識に当たると、首にも衝撃が加わるので、軽いむちうちのような症状が出て、吐き気に悩まされることもありました。

    サッカーのヘディングで戦術的な必要性

    では、サッカーからヘディングは排除した方が良いのでしょうか。
    サッカーのヘディングを禁止している場合は、ヘディングの罰則として、相手にフリーキックが与えられるようですが、果たしてサッカーの魅力はどうなっていくのでしょうか。
     
    豪快なダイビングヘッドでのシュート、ゴールや、選手同士が空中のボールをヘディングで競り合う闘争心溢れるシーンは、観ている者を魅了する場面の1つです。
    スポーツの本来の目的でもありますが、人間の攻撃的な意欲の発散にもつながっているのかも知れません。

    では、サッカーの戦術的にはどうでしょうか。ヘディングという単体の技術が戦術になることはありませんが、ある戦術を採用した時には、ヘディングを効果的に使えることが試合自体を優位に持って行くのは間違いありません。

    例えば、ユベントスとバルセロナが対戦した時、ユベントスは自チームのマンジュキッチと、相手のセルジ・ロベルトの高さ、強さのミスマッチをついて攻撃するために、ロングボールも多用しました。
    グアルディオラが率い始めた当時のバイエルンも、バルセロナにはない高さ、強さを活かすために、ハイクロスを多用し、セカンドボールを拾う緻密な戦術も取り入れていました。

    当然、これらの戦術を採用した時、ヘディングが強いと質的優位に立てます。というより、ヘディングで勝てるから採用する戦術とも言えます。
    同時に、こちらが採用しなくても、相手の戦術は自由になりません。相手がロングボールやハイボールを多用する戦術を採用してきた時には、否応なしにヘディングをしなくてはいけない場面が多発します。

    であれば、やはり、育成年代からサッカーのヘディングに関するトレーニングは欠かせません。
    なぜなら、中途半端な形でヘディングを覚えてしまい、生半可な技術でヘディングすることが、逆にリスクにつながる可能性の方が大きくなるからです。
    育成年代の指導者は、危険性を理解し、学んだ上で、トレーニングをうまく順序立てて、将来のサッカー選手につなげていく必要があるのです。

    育成年代のヘディングのトレーニング

    現在、日本サッカー協会やJリーグのアカデミーでヘディングを禁止しているところはありません。
    ローカルルールがまかり通る牧歌的な試合でも、禁止しているところはないでしょう。
    頭でボールを扱う時に、こちらから当てに行くのと、ブロックのように当てられに行くのでは、衝撃や痛みの程度は異なります。
    無論、前者の方が迎え撃つ分、マシになります。(痛いものは痛いのですが…。)

    当然、試合中にめったにありませんが、無意識に、または、予想とは違う方向からボールを当てられるという形になると、大きなダメージを負うことになります。
    指導者がこれを認識しておき、選手に指導する時も勇気をもってボールに向かうことを説くことは必要です。
    但し、気持ちだけでは何ともなりませんので、正しい技術を身に着けていくことが大切です。

    まずは、頭のどの部分に当てるかということですが、額(おでこ)、または、額よりもやや上の骨の厚いところになります。
    シュート性のクロスなどを合わせる時に、額から横にずらして当てて、方向を変える場合もありますが、基本的には額、または、やや上でボールをとらえるのが良いでしょう。
    ここを外すと痛いですが、そのヘディングがゴールにつながれば、痛みなど飛んで行ってしまいますが。

    従って、キッズ年代にはおでこでボールに触れる程度の練習で十分です。
    そこから習熟度やカテゴリーに応じて、徐々に頭に乗せたり、持っているボールを頭で突くなど、段階的に難易度をコントロールします。それらは指導者の工夫次第でいくらでも可能です。
    風船やソフトビニールでできたボールを代用するなど、恐怖心を持たないで楽しく練習する方法は、いくらでもあります。

    次に首をきちんと固定することです。
    キックの際に足首やサーフェスを固定するのと同じです。
    高校生以上の年代になると、インパクトの瞬間に首を振ってヘディングの威力を高めたり、飛距離を伸ばしたり、方向を変えるような技術のトレーニングもできるようになってきます。

    まとめ

    1、サッカーのヘディング禁止、広まる風潮=ヘディングが禁止になっている国が存在します。
    2、サッカーボールを頭で扱うということ=危険性は事実あります。
    3、サッカーのヘディングで戦術的な必要性=カテゴリーが上がれば、ヘディングは必須技術
    4、育成年代のヘディングのトレーニング=当てる部分と固定、勇気。指導者の工夫です。

     サッカーで起こり得る大けがの中でも、骨折や脱臼、靱帯断裂と異なり、頭は直接的に命や大きなや後遺症につながるリスクが高いので、ヘディング禁止の意図は分かります。
     しかしながら、禁止規則が単なる訴訟対策のために広まっていくとしたら、憂慮すべきことです。
    低年齢のサッカー選手の体や健康を守るという本質を見失っていかないか、よくよく注意しなければならないのではないでしょうか。
     
    日本サッカー協会も、ライセンス講習会ではメディカルの講義を受講することを義務付けたり、ホームページから脳震盪に対する情報を得やすくするなど、啓蒙活動を盛んにしてきています。
     
    練習や試合中に発生する脳震盪は、ヘディングするよりも、他の形でのフィジカルコンタクトの方が発生率が高いという調査も出ています。
    それが事実であれば、コンタクト自体を制限・禁止しなくてはいけない、ということになりかねません。
     
    今、できることは、危険のないようにサッカーをさせることはもちろん、けがをしないようなヘディングの技術を、指導者が選手に正しく、身に付けさせてあげることです。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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