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    サッカーのドリブルは2種類?目的を理解し、練習を計画しよう


    サッカーで「今日はドリブルの練習をしよう」と言えば、喜ぶ子どもたちも多いかと思います。
    もちろん、ゲームは大好きだと思いますが、サッカーの「ドリブル」は自分が常にボールを支配している状態ですから、練習の自由度も高く、楽しいのでしょう。

    ドリブルしてる間は、その選手に注目が集まります。
    メッシやネイマールのように「ドリブル」を武器として、世界に名を馳せ、子どもたちの憧れの存在としてプレーしています。
    サッカーで「ドリブルの練習をしよう」と言うとメッシやネイマールのようなプレーを想像します。

    しかし、メッシやネイマールのようにたくさんの守備陣を切り裂くような選手はそう簡単には生み出せません。
    ただ、サッカーでは「ドリブル」という技術は習得すべき技術として、重要視されています。
    ドリブルが上手い選手はメッシやネイマールだけではありません。
    ディフェンダーの選手にとっても、ドリブルは必要な技術です。
    今回はなぜドリブルが大切なのか、どのような技術なのかを考え、日頃のトレーニングに活かすことが出来たらと思います。

    サッカーのドリブルは2種類に分けられる

    サッカーでは、ドリブルは大きく分けて2種類に分けられます。
    なぜ分けられるかというと、それぞれの「目的」が違うからです。
    この2つを明確に理解していないと、サッカーでドリブルの効果的な指導はできないでしょう。
    育成大国と呼ばれるスペインでは、サッカーに存在するアクションについて、細かく明確に定義がなされています。
    明確に定義することで、そのアクションを行う上で子どもたちを何が足りないかをはっきりと理解させる事ができます。

    さて、本題に入りたいと思います。
    サッカーのドリブルは、2つに分けられるということは先ほども話しました。
    今回は、実際にスペインで用いられている言葉を参考に考えてみます。
    まず1つは「レガテ」で、目の前の相手を抜き去るドリブルの事です。
    こちらは分かりやすく、メッシやネイマールのような選手が見せるプレーですね。

    もう1つは「コンドゥクシオン」と言い、スペースにボールを運ぶアクションの事を指します。スペインのジェラール・ピケ、ドイツのマッツ・フンメルスは、この能力に優れています。
    確かに、サッカーでこの2つの「ドリブル」は、目的や求められる要素が異なってきそうですね。
    目的も別れるということは練習も別れるということです。

    ドリブルの一つレガテ

    「レガテ」の目的は、ボールを持った選手が、直接相手の守備ラインを破る事です。
    主にアタッキングサードでボールを持った時、そのディフェンスをドリブルで破る事が出来れば、シュートやクロスなどゴールチャンスを生む事ができる場合に行うプレーです。

    相手に囲まれてパスコースを潰された時に「不意打ちの手段」としてドリブル突破も有効になります。スペインのイニエスタ、クロアチアのモドリッチが得意とする方法です。

    では、「レガテ」に必要な能力は何があるでしょうか。

    ・ボールを正確に扱う技術とコーディネーション
    マーカーを使いドリブルの反復練習を行うことにより身に付ける事ができます。
    タッチのバリエーションを増やすことで、子どもたちに刺激を与える事ができます。

    ・相手の逆を取る事
    また、サッカーの1対1の練習で、ドリブルで相手の重心の逆を取る練習が出来ます。
    ボール無しでの鬼ごっこもありだと思います。
    ある程度のスピードも必要になります。


    ・ドリブル突破のタイミング
    「レガテ」できる選手は、タイミングを心得ています。
    まずは「レガテ」すべきタイミングを見極めることです。
    サッカーでドリブル突破を図る場面で、実際に突破した際、その後何ができるのかを考えておかなければなりません。
    カバーがしっかりしている場合は、突破でなく別の選択をすべきかもしれません。
    逆に相手と1対1でスペースがある場合は、素早く仕掛けの姿勢に入る事が大切です。
    この能力はゲーム形式でしか鍛えられません。
    サイドや中央など、さまざまな状況を設定してあげましょう。

    もう一つのドリブル、コンドゥクシオン

    「コンドゥクシオン」の目的は、ボールを持った選手が、ドリブルを用いて相手の守備ラインを間接的に破るサポートをすることです。
    日本語で言い換えると「運ぶドリブル」です。
    直接ドリブルで守備ラインを突破はしませんが、スペースにボールを運ぶことによって、相手を引き付け次にボールを受けた味方がより良いプレーをする事が出来ます。

    また、キープしながら味方がパスを受けるために動き出す時間を作る事も出来ます。
    特にアタッキングサードより後ろのエリアで、プレッシャーの少ない時に、相手の守備陣形を崩すために用いる事が出来ます。
    近頃はディフェンダーの選手に必要とされる能力として注目されています。
    では、「コンドゥクシオン」に必要な能力は何があるでしょうか。

    ・ボールを正確に扱う技術
    やはりドリブルの技術ですから、ボールを正確に扱う技術は大切です。
    ただ、「レガテ」とは違い、あまりスピードを必要とはしません。
    正しいタイミングでボールを話せる事が大切ですね。

    ・視野の確保
    サッカーでは、どこに守備の穴があるのか、どの味方が有利な状況にいるかを知るには「観る」事が大切です。
    観るためには、状態を起こし、姿勢良くドリブルができ、ボールから目を切る時間を増やして周りを見渡す能力が大切です。
    何も考えさせず反復でドリブルの練習をさせると顔が下がり、視野の狭い選手になってしまうので注意が必要です。

    ・キックの技術
    「コンドゥクシオン」はドリブルの技術ですが、「レガテ」同様にプレーは必ずキックで完結します。
    ただ、「コンドゥクシオン」は次の味方により良いプレーをさせたいので、正確なキックの技術も大切になります。
    ボールを動かしながらキックできる事も大切です。
    単純なスクエアパスも「ドリブル」にフォーカスする事で、また違う視点でトレーニングができると思います。

    まとめ

    ●突破するドリブル「レガテ」
    ◾️目的
    ドリブルで直接守備ラインを突破すること

    ◾️必要な要素
    ・ボールコントロールとコーディネーション
    ・相手の逆を取るためのフェイント
    ・仕掛けるタイミング


    ●運ぶドリブル「コンドゥクシオン」
    ◾️目的
    ドリブルでチームが守備ラインを突破する間接的な手助けをすること

    ◾️必要な要素
    ・ボールコントロール
    ・視野の確保の方法
    ・キックの技術(ボールの置き所)

    このようにサッカーでは、ドリブル1つとっても、目的が異なるので、練習をする際もどのようなドリブルをするかを明確に理解しておかなければなりません。
    今回はスペインで用いられている言葉を使いましたが、日本語で伝わる言葉があるのなら日本語でも良いので、出来るだけ具体的なサッカーの言葉を使ってあげる事で、より子どもたちもドリブルの練習で習得すべき要素が明確になるはずです。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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