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    少年サッカーのトレーニングを子どもの社会環境変化から考える


    時代の流れの中で子どもたちを取り巻く環境は大きく変わってきています。
     その中で少年サッカーのトレーニングとはどのように考えていくのが良いのでしょうか?(少年としていますが少女も含みます)
     私たち大人が未来のある子どもに接する時、その責任は決して小さくありません。
     今回はサッカーが持つ魅力を現代の少年サッカーにどのように活かしていくかを考えていきましょう。

    少年たちの環境の今昔(昔編)

    年齢や性別の違った小さいグループで外遊び(鬼ごっこ、木登りなど)を行っていました。
    その中で、熱中や歓び、失敗を原動力とし、心身や判断力、創造性と言った知恵、社会性が育てられていったのです。
    原っぱと言われる誰の土地か分からないような空き地や広場も存在しました。
    サッカーのトレーニングではなく、神社や寺の境内などで自由にボール遊びをしても、誰にも怒られません。
    強制のない自由な遊びとしてのスポーツが展開されていたのです。
    必然か偶然かは別として、大人がその子どもの世界に関わることはほとんどありませんでした。
     同時に他人の子どもでも叱る環境が当たり前でした。
    また、学校の先生の社会的な地位も高く、子どもに対して厳しく規律やモラルを指導する環境がありました。
     多くの兄弟や祖父母と一緒に暮らす家族の単位がはっきりしていて、食事を全員でとるのが基本です。
    家庭内で日常的に協調や競争が必要とされていたのです。
     日常生活の中で時間的な余裕もあり、色んなことを体験して学ぶこともできました。
    子どもに対して、ほとんどの親は専門的に向けて何かを働きかけていく風潮ではなかったのです。

    少年たちの環境の今昔(今編)

     今の子どもたちはどうでしょうか。
     室内での遊びが格段に増えました。
    ゲーム、スマホ、パソコンなど、同性、同年齢の少数での遊びです。
    ここでの遊びは心身や創造性を育てることはほぼなく、社会性が要求されません。
    ゲームが悪とは言いませんが、失敗の悔しさよりもリセットすることでその重みを感じなくなってしまいます。
    土地の減少や犯罪の多様化、交通事情もありますが、自由で創造性に富む遊び、スポーツができなくなってしまったのです。
     学校や地域コミュニティでは他人に叱る大人が特別視されてしまいます。
    教員自身のモラルの低下もあって、厳しく少年たちに接する(体罰ではない)ことが難しい時代になっています。
    親も自分の基準のみで子どもに接し、過保護か放任の二極化になってしまっています。
    少子化もあって、家庭内では兄弟が少なくなり、個室が与えられることで協調や我慢といった刺激が少なくなっています。
    また、
    1人の子どもに対する親の期待も大きくなり、それが過保護や子どもへの過度のプレッシャーになっています。

    それが本人ではなく、親の期待でスポーツを早期に専門化する傾向に拍車をかけています。

    エリート教育と言うと聞こえは良いですが、実際は少年たちに大きな心身の負担になっていることが少なくありません。

    サッカーはスポーツであるということ

    現代の子どもの環境を観てみると、サッカーというスポーツを通して子どもたちに提供できることはたくさんあります。
     まず、サッカーはスポーツであるということです。
    スポーツはきっかけはともかく、本来は自発的に好きで行うものだということです。
    そこには強制もなく、大人の介入もない遊びが本質ということです。
    これこそが少年サッカーでもっとも大事にしたいことです。
     つまり、サッカーという遊びを通して、昔の少年たちが学んでいた創造性や社会性といった要素を獲得して行けるのです。
     そして、サッカーは楽しいという気持ちで次のステップに移ることが最重要です。

    U-12年代の少年たちのトレーニングに必要なこと

    この年代では基本を大切にすることです。
     それは決して個性を奪うことではありません。よく基礎、基本をさせてばかりだと、型にはまった選手になるという言葉を聞きます。
    しかし、決してそうではありません。
    基本という強固な土台があって初めて、個性も大きくなっていきます。
    ですから少年サッカーでは基本を徹底して行うことは大切です。
    但し、基本のトレーニングだからと言って、単調でつまらないトレーニングをする必要はありません。
    大人や指導者の工夫次第で遊びながら学べることはたくさんあります。
    例えば、鬼ごっこだってそうですから。
    また、判断を伴うトレーニングを構築することで、よりサッカーの本質に近づいたトレーニングになるでしょう。
    低学年の少年たちには遊びの要素を入れることが自然に判断を伴うことにもなっていきますね。

    サッカーはサッカーすることでうまくなる

    これは名言ですが、サッカーのゲームをしましょうということです。
    何もいつも11対11のゲームをすることではありません。
    日々のトレーニングの中で色々なオーガナイズ(場の設定のこと)を工夫することで、獲得できる戦術や技術も変わってきます。
    例えば、4ゴールゲームを行うとします。
    そこではターンの技術やサイドチェンジの戦術を使うと有利だというのを、子どもたち自身が勝手に学びます。
    ゲームとは遊びに他なりません。
    子どもが遊びの中で熱中するように仕掛けることができれば、サッカー(トレーニング)をする中で自然とうまくなっていきます。
     また、可能であれば、学年や性別をミックスして行うゲームやトレーニングがあっても面白いでしょう。 

    まとめ

    1.少年たちの環境の今昔(昔編)=外遊びとしつけの低下、強制されたスポーツ
    2.少年たちの環境の今昔(今編)=刺激や学びの低下と早期の専門化
    3.U-12年代の少年たちのトレーニングに必要なこと=判断を伴う基本の徹底
    4.サッカーはサッカーすることでうまくなる=熱中したゲーム(遊び)が上達させる


    仕方がないことかも知れませんが、子どもを取り巻く社会の環境は時代とともに変遷していきます。
     その中には良いものが失われる形で変わっていったものもあります。
     サッカーというスポーツはその失ったものを取り戻すことができます。
    また、我々大人の仕掛けで、古き良き時代の環境を子どもたちに成長の場として与えることもできます。
     私たち自身がクリエイティブになりましょう。

    執筆者

    シェアトレ運営部

    シェアトレを運営している筑波大学のメンバーです。日々指導者のために勉強中です


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